柴田教授のひびきの放送局 (Prof. Shibata's Blog)

九州工業大学大学院生命体工学研究科の柴田智広教授の公式ブログです (Official Blog of Prof. Shibata)

ひびきのサロン開催後記

11月27日に

を開催しました。企画立案司会進行の私が一番楽しんだのではとも思いましたが、講師陣も講演の後パネルの前にはすっかり意気投合され、サロン終了後には多くの参加者からも、「大変有意義だった」「この手の企画の中で一番面白かった」などと直接声をかけていただき、とても嬉しかったです。


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会場の様子

西野先生は、病院や介護施設におけるニーズを列挙していただきました。そのうち「着衣」をだいぶ強調されてたのは、私がいるからかと思ったら違いました。私が着衣介助ロボの動画をチラとお見せしたら驚かれていて、宣伝不足を思い知らされました (^^;

上岡さんに教えていただいた音楽の力の実例には圧倒されました。
YouTubeMan In Nursing Home Reacts To Hearing Music From His Er 

井手先生が紹介してくださったクチトレプラスは、早速試してみようという方が何人もおられました。製品サイトは

です。

相馬先生には、九工大が推進する文科省地域エコ事業「アクティブシニアIoT」のシーズ紹介をしていただきました。

パネルには講師に加えて、福岡県介護士会から藤野副会長と、認知症・草の根ネットワークから田代代表に加わっていただきました。

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福岡県介護士会 藤野副会長のショートプレゼン

藤野副会長は介護施設利用者のQOL向上が必要で、そのためには利用者の調子の変化に気が付く技術も重要とご指摘いただきました。

認知症・草の根ネットワーク代表の田代代表からは、本日紹介されたような最先端の機器の情報を現場は知らないと述べられたました。いくらテレビや新聞に出ても、広報した情報が隅々までは全く伝わらない問題は、私も奈良県にいたときから経験しており、10年たち、北九州でも未だにそうならば、抜本的な解決策が必要だと思いました。
パネルの際には、会場から自由な意見や質問を求めたところ、盛んな質疑応答がなされました。今回はパネルを重要視してその時間を50分と長めにとっていましたが、もっと増やしておけば良かったです。

 
その後のひびきの連携交流会には、サロンの講師、聴講者の他、若松キャンパスの学生が多数参加し、研究ポスター発表も多数行われ、大盛況でした。

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ひびきの連携交流会の様子

最後に、講師の皆さま、聴講していただいた皆様、開催をサポートしていただいたFAISの皆様、またアクティブシニアIoT事務局と、柴田研の秘書に、改めて感謝申し上げます!

 

 

 

 誰でも参加できます!「先進的な技術とコミュニティによる認知症の方々との共生を目指して」

認知症に関するひびきのサロンおよび連携交流買いが、いよいよ明日の開催となりました。

「私が参加していいのかしら」という一般の方の声をちらほら聴きます。
誰でも参加可能です! 
まだ参加者数に十分な余裕があるようですので、ぜひご参加ください(可能なら事前登録お願いします)。

 

 

ひびきのサロン(11月27日開催)「先進的な技術とコミュニティによる認知症の方々との共生を目指して」

「先進的な技術とコミュニティによる認知症の方々との共生を目指して」と題して、九工大地域イノベーションエコシステム形成プロジェクト第5回ワークショップとして、またFAISの「ひびきのサロン」としての企画を、11月27日(水)に開催します。医療従事者NPO法人九工大地域イノベプロデューサーの講演のあと、福岡県介護士会、認知症・草の根ネットワークにも参加いただき、ニーズ把握やシーズマッチングに関するパネルディスカッションを行います。
無料の連携交流会(水曜ですが金曜懇親会的な催しです)にもぜひご参加ください。
お申込み方法:
 - Web上からフォームで:https://www.ksrp.or.jp/fais/iac/project/salon/index.php?form=203
 - FAXで:下記チラシの2ページ目を見てください。

(※)連携交流会は(株)豆蔵様にスポンサリングしていただいております。

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チラシ1ページ目

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チラシ2ページ目

 

スマートライフケア社会創造のための基盤づくり

「スマートライフケア社会創造のための基盤づくり」として解説記事をシステム/制御/情報学会誌第63巻第8号に寄稿しました。スマートライフケア社会創造ユニットの井上准教授と、地域イノベーションエコシステム形成プロジェクトの相馬プロデューサー(九工大客員教授)との共著です。

記事中ではスマートライフケア共創工房の説明も勿論しています。


この、「リハビリと健康維持―工学連携がひらく未来」特集号は、その他の解説記事も大変興味深いものばかりです。下記に目次を抜粋しておきます。

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「システム/制御/情報」 第63巻 第8号
「リハビリと健康維持—工学連携がひらく未来」特集号
解説
理学療法機器に求められる存在意義の現状と未来
栗栖 信之
スマートライフケア社会創造のための基盤づくり
柴田 智広・井上 創造・相馬 功
リハビリテーションにおける工学的課題と地域・工学連携への期待
浅井 剛・山口 良太
リハビリテーションと工学研究との連携が拓く可能性
岡田 洋平
人体の動作計測技術における基礎的原理から最新動向まで
尾形 邦裕
ソフトアシスト技術による感覚・運動能力の拡張
栗田 雄一
編集後記
「リハビリと健康維持—工学連携がひらく未来」特集号を企画して
為井 智也
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この学会誌は、第60巻4号(2016年)以降を 国立研究開発法人 科学技術振興機構 (JST) のJ-STAGEにて電子アーカイブを無料公開していおり、最新分に関しては、会誌発刊後、一定の未公開期間(6ヶ月)を設けた上で公開しているのだそうです。

現在、第60巻2号まで公開されていますね。

 

 

 

革新ロボットフォーラム Robotics Innovation Forum 開催のお知らせ

下記、私も関わる九州工業大学 地方大学・地域産業創生交付金事業の事務局からの案内です。

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北九州市、北九州産業学術推進機構(FAIS),安川電機九州工業大学は、革
新的産業用ロボットの研究開発をテーマに地方大学・地域産業創生交付金事業
関わるに採択されました。

本研究開発のキーワードである、「人工知能」、「安全安心」、「人と同等な
制御」の3つのテーマに関連して、世界的にも著名な先生方をお招きし、ロボ
ット開発の将来像をテーマにフォーラムを開催します。

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また、これの翌日より、
上記革新ロボットフォーラムに引き続き、海外から招聘される講師による特
別講義が行われます。一般の方の聴講も可能ですのでご興味のおありの方は
ご参加ください。
なお、英語での講義で通訳はありませんのでご了承ください。

【日時】 令和元年9月25日(水)~27日(金)

【場所】 北九州学術研究都市学術情報センター 遠隔講義室1

【講義スケジュール】
 9月25日(水)14:40~16:10
         「Bringing Service Robotics to Market Ⅰ」
ロボットベンチャーサビオーク社創始者
          Founder&CEO Steve Cousins 先生

9月25日(水)16:20~17:50
         「Introduction to embodied intelligence Ⅰ」
スイス チューリッヒ大学
          名誉教授 Rolf Pfeifer 先生

9月26日(木)8:50~10:20
         「Bringing Service Robotics to Market Ⅱ」
ロボットベンチャーサビオーク社創始者
          Founder&CEO Steve Cousins 先生

9月26日(木)10:30~12:00
         「Introduction to embodied intelligence Ⅱ」
スイス チューリッヒ大学
          名誉教授 Rolf Pfeifer 先生

 9月27日(金)13:00~14:30
         「Bringing Service Robotics to Market Ⅲ」
ロボットベンチャーサビオーク社創始者
          Founder&CEO Steve Cousins 先生

9月27日(金)14:40~16:10
         「Introduction to embodied intelligence Ⅲ」
スイス チューリッヒ大学
          名誉教授 Rolf Pfeifer 先生

 

RKB毎日放送「発掘ゼミ」で柴田研の研究内容が特集されました

先日、RKB毎日放送「発掘ゼミ」で柴田研の研究内容が特集されました。

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 今回は、よくメディアに取り上げていただける着衣介助ロボットシステムHAFY(上記写真4枚のうち左下)だけでなく、人工筋肉を用いて主にパーキンソン病患者のすくみ足防止を目標に研究を進めているUPS-PD(上記写真4枚のうち右下)もお披露目することができました。

このUPS-PDは広島大学の栗田雄一先生が開発されたUPSをベースに、パーキンソン病患者のすくみ足予防を主目的に開発したもので、栗田先生の他、被験者実験に際しては産業医科大学の白石純一郎先生にご協力をいただいています。

取材の日は、私は不在だったのですが、学生やスタッフがしっかり頑張ってくれました。そして、「ゼミ生」の黒田りささんの機知に富んだ進行のおかげもあって、大変良いメッセージを発信できたと思います。途中に挿入された、UPS-PDを装着した黒田さんがモデルウォークをするシーンも、下記、まとめの言葉に向けて大事なシーンでした。

番組の最後に「授業終了です」として黒田さんが述べたまとめの言葉は、要約すると下記のようでした。

誰しもに待ち受ける高齢化は、「できなくなる」という不安要素が大きいが、科学技術はただサポートするだけのものではなく、利用する人を楽しい気持ちにすることもできる。

私もついつい障がいの支援技術開発ばかりに気が行ってしまいがちです。Assist-As-Neededという観点はずっと重要視してきました。被験者実験をするとき、実験が良好にいったとき、被験者の多くは喜んでくださいます。しかし、「利用者を楽しい気持ちにする」という、いわば福祉の原点を、シンプルに、そして強く意識していこうと思います。