柴田教授のひびきの放送局 (Prof. Shibata's Blog)

九州工業大学大学院生命体工学研究科の柴田智広教授の公式ブログです (Official Blog of Prof. Shibata)

先天性ミオパチーの会代表の伊藤亮さんが来訪されました。

皆さん、先天性ミオパチーという難病をご存知ですか?

本日、一般社団法人 先天性ミオパチーの会代表の伊藤亮さんが、スマートライフケア共創工房柴田研の見学にいらっしゃいました。呼吸するための筋肉の筋力が健常者の1/10程度ということで、時々手動の吸入器を用いておられました。その吸入器は緊急組成バッグ(アンビューバッグとかアンビューとも言うそうです)を転用して用いられているそうで、その吸い口は3Dプリンタで作成されたのだそうです。素晴らしい!

そして分身ロボットOriHimeのデモもしてくださいました。動作が可愛く、操作も簡単で、これは難病や障がい者の方が分身で社会参画するのが嬉しくなるだろうなぁ、と思いました。

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伊藤さんがOriHimeをデモしてくださいました

「先天性ミオパチーについて」を見ると、数多くの種類があり、症状も違うので確定診断が必要なのだそうです。
これから先天性ミオパチーにロボット技術で何ができそうか調べてみますが、一方で遺伝子治療に新たな動きがあることも、伊藤さんに教えていただきました。

www.mixonline.jp

この記事によれば、Audentes社は、アデノ随伴ウイルス(AAV)に基づく遺伝子治療薬の研究開発に注力する企業で、X染色体連鎖性ミオチュブラー・ミオパチー(XLMTM)の適応取得を目指す「AT132」という薬を有するようなので、XLMTMタイプの患者さんの希望になるのではないでしょうか。

今後も、障がい者や患者の方々のために、ロボティクスや遺伝子治療などの先端技術がますます発展することを祈念します。柴田研も頑張っていきます!