柴田教授のひびきの放送局 (Prof. Shibata's Blog)

九州工業大学大学院生命体工学研究科の柴田智広教授の公式ブログです (Official Blog of Prof. Shibata)

北九州学術研究都市にも自転車専用レーンがやってきた

昨年、学研都市周辺に自転車専用レーンが整備されたなー、とおもっていたら、今年は学研都市内にも整備されました。場所柄、自家用車が多いのですが、健康増進のためにもエコのためにも、自転車がよく走る街になるといいな。

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バス停注意のサインも

 

フレイルの定義

介護予防や健康長寿の観点から、フレイルやプレフレイルの高齢者を支援することが重要です。

フレイルの定義を調べてみました。
公益財団法人長寿科学振興財団のサイトに、フレイル評価基準、基本チェックリスト、指輪っかテスト、イレブンチェック、深堀チェックなどが載っており、どれを用いたらいいか、ケースバイケースの様です。

フレイルの評価基準の5つの項目のうち、3項目以上該当した場合をフレイル、1~2項目該当した場合を前フレイル(プレフレイル)、該当項目が0の場合は健常と判断するのだそうです。

また、国立長寿研の基準では、表1「フレイル評価基準」の5つの項目のうち、3つ以上該当する場合はフレイル、1~2つ該当する場合はプレフレイル、いずれにも該当しない場合は健常または頑健と判断するのだそうです。

 

北九州市の市政だよりでも、指輪っかテストとイレブンチェックが掲載されていました。

 

このチラシによれば、フレイルのことをもっと知りたいと思ったら「認知症支援・介護予防センター」へご相談ください、とのことです。

スマートライフケア共創工房はリビングラボの一拠点

スマートライフケア共創工房九州工業大学北九州市と連携して運営する、アクティブシニアIoTのオープンイノベーション拠点です。

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スマートライフケア共創工房の体験・評価ゾーン

九州工業大学が発信する最新技術を体験でき、介護とIoTという観点から、アイデアの創出からプロトタイピング、技術性能の評価まで行うことができます。

R2年度は、厚生労働省のR2年度介護ロボットの開発・実証・普及のプラットフォーム事業におけるリビングラボの一拠点として活動しており、これまで愛知県、奈良県、福岡県、鹿児島県の企業から介護ロボットの評価依頼を受けています。

 この事業では、介護ロボットの開発・実証・普及の流れを加速するため、ニーズ、課題、評価方法、評価結果を、地域相談窓口、リビングラボネットワークでできるだけ共有し議論するという画期的な取り組みを行っています。私としては、まだ介護ロボ導入が本格化していない時期なので、とにかく皆で成功事例も失敗事例も何でも情報を共有しあって、一日も早くマーケットを開拓することが重要だと常々考えており、上記プラットフォーム事業には大変期待をし、そして本学の教員や学生の協力を得て、超積極的に取り組んでいます。

Juvenile (未成年)パーキンソン病患者の割合

40歳未満で発症するパーキンソン病PDと略しますね)は、若年性パーキンソン病(Young Onset Parkinson's Disease; YOPDと略しますね)と呼ばれます。
さらに20歳未満で発症するものは、海外ではJuvenileパーキンソン病JPDと略しますね)と呼ばれるのですが、日本にはまだ対応する用語が無いようです。

PDは1000人に1.5人程度発症すると言われています。

ではPD患者全体におけるYOPDやJPDの有病比率はどうでしょうか(発症率はわかりませんでした)?

難病情報センターの特定医療費(指定難病)受給者証所持者数を見てみると、
平成30年度末現在の情報が最新で、下図のようでした。階級幅が70~74歳は5年であり、最後は75歳以上としてあることに注意してください。

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パーキンソン病の指定難病受給者証所持者数(平成30年度末現在)

下図はその棒グラフです。高齢者病であることがよくわかります。

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パーキンソン病の指定難病受給者証所持者数(棒グラフ)

ここから、YOPDの年齢階級該当者数は170名、JPD年齢階級該当者数は5名となります。但し、それ以上の年齢階級に、元JPD、元YOPDの方が含まれていると考えられるため、真の該当者数はわかりません。その上で、PD患者総数に対する比率を計算してみると、10万分の約3.8 (JPD), 約0.13% (YOPD)となります。元JPD、元YOPDの方を考慮したとしても、1桁ずれるぐらいではないか、と予想しています。
JPD患者数は極めて少ないので、JPD患者どうしでの助け合いなどがとても難しいですね。でもだからこそ、少ない全員のネットワーキングができるといいですね。

福岡市科学館での講演を終えて

28日の午後に、福岡市科学館で「AIって何だろう」という演題で特別講演を行いました。

対象は小学校4年生からシニアまでいらっしゃるなかで、どういう内容にするか悩んだのですが、どうしてAIブームになったのか、深層学習によるパターン認識や深層強化学習の何がすごいのか、伝えてみる試みをしました。


途中、ホームサービスロボットの国内外の大会で常勝軍団である、九工大Hibikino-Musashi@Homeによる、お片付けデモや、歩行する人の追跡デモを行い、子どもたちも実際に追跡デモに参加してもらいました。

お片付けデモは、昨年までに比べ速度も正確さも向上していて目を見張るものがありました。追跡デモは、子どもたちは楽しんでくれていましたが、今年に本ロボット学会誌に論文が採録決定されたものですが、論文では仮定していない観客がいる状況の中では課題も明確になりました。

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お片付けタスクを完全自律で実行するロボット

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ロボットデモ中に質疑応答に立つ小野君

また、歩行リズムに合わせてアシストを行う(株)ATOUNのパワードウェアHIMICO(プロトタイプ)も、義父にモデルになってもらいデモを行いました。装着している時から子供たちが群がり、その後もいろいろ質疑応答があり好評でした。

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(株)ATOUN社製 パワードウェアHIMICO(プロトタイプ)のデモ

講演中は、いつでも質問してもらえるように、聴衆側にマイクを常設したところ、講演中にご活用いただけました。講演後も、多くの大人の方に囲まれ、活発な質疑応答が続きました。

 

全体的には聴衆の皆様には満足いただけたと思うのですが、AIとは何か、そもそも知能とは何かという点については、要点だけ伝えたつもりでも、「全然わからなかった」という意見も大人の方からいただきました。ということは、難しいと思ったお子さんも多かったでしょう。計算機の観点よりは、もっと現在の応用事例を列挙したほうが良かったかもしれないと反省しています。

 

最後になりましたが、ロボカップ@ホームジャパンカップで優勝後まもなく、ホームサービスロボットを4日間オープンラボやサイエンスホールで展示してくれた、Hibikino-Musashi@Home(HMA)の小野君、徳野君、内野君、水谷君、久保田君、また協力を快諾してくれたHMA主指導教員の田向先生に感謝を伝えたいと思います。本当にご苦労様でした! 

また、ご参加いただいた方々、矢原館長を始めとする、科学館スタッフの方々にも御礼申し上げます。

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矢原館長と学生たちとの記念撮影

 

 

福岡市科学館での私の特別講演(無料)に歩行アシストロボットもやってくる

12月19日から、福岡市科学館の企画展"What's AI?が始まっています。本日25日から27日まで、九工大のホームサービスロボットも展示していて、子どもたちも操作してみたりすることもできます。入館料も観覧料も無料です。お気軽にお立ち寄りください。

 

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ヒトを追跡するホームサービスロボット

私の講演(同じく無料)は28日で、ステージに上記ホームサービスロボットが来てくれることは決まっていました。

 

このたび新たに、歩行アシストロボット(ATOUN社製 パワードウェアHIMICO(プロトタイプ))も登場することになりました。ATOUN社のご好意に感謝します。

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HIMICO(プロトタイプ)を試す柴田

なお、コロナ対策のため、講演会場300席のところ上限150人となっています。また私も不織布マスクをしたまま講演します。