柴田教授のひびきの放送局 (Prof. Shibata's Blog)

九州工業大学大学院生命体工学研究科の柴田智広教授の公式ブログです (Official Blog of Prof. Shibata)

国際ロボット展2022の展示は大盛況

2022年3月9日(水)~11日(土)の4日間開催された国際ロボット展2022(IREX2022)の福岡県・北九州市ロボットフォーラムのブースに、柴田研からも大きくアップデートされた着衣介助ロボットシステムHAFY(Helping Arms For You)を出展しました。

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今回の特徴は次の様です。

  • 着衣方式を後ろからに変更した。具体的には、腕を上げる必要がなく、座位がとれる方に対して介護・看護の現場でもよく用いられる方法にした。
  • 介助中に、今何をするのか、何をしてほしいか、と言った声かけを、人間の音声で行うことにより、安心かつ人の協力を得やすくした。これもこれまでの展示などから得られたフィードバックに対応したもの。
  • ロボットによる衣服の操作はまだ非常に難しく、これまでは双腕ロボット(Rethink Robotics社のBaxter)が着衣のために衣服を正しく把持することが自動でできなかった。今回は、ハンガーラックにセットされた衣服があれば、それを単腕モバイルマニピュレータ(トヨタ自動車のHSR)がAIにより視覚認識し、自律走行して双腕ロボットに手渡しすることによって自動化を達成した。
  • 前回は電動車椅子を利用していたが、サイズが大きく、また背もたれが今回の着衣方式に合わない問題があった。今回は、すぐ創る課のメンバーが、アルミフレーム等についてMiSuMiの特別支援も受けつつ、ロボットモジュールや3Dプリンタを駆使して、モバイルチェアをすぐに創って問題を解決した。

今回は、サービスロボットゾーンという東展示場の一番奥の場所だったため、あまりメディアや見学者も来てくれないのではと当初心配していましたが、それは杞憂でした。今回も複数のメディアや古い友人を始め非常に多くの見学者が毎日来てくれて、本当に有難かったです。

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メディアについては、日刊工業新聞が事前取材をしてくれた他、複数のTVニュース番組で短時間ですが紹介されたようです。また、最終日にはCCTVがじっくり取材していってくれたので、(中国向けですが)どんな放送になるのか楽しみです。

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CCTVの取材を受ける柴田研学生リーダーの山﨑君

今回、双腕や単腕ロボットの知能プログラミングを頑張ってくれた酒井君は諸事情により東京に来られませんでしたが、福岡から遠隔で全力サポートしてくれました。双腕や単腕ロボットのメインオペレータを託された梶原君は、柴田研に昨年12月に配属されたばかりのまだ学部3年生ですが、集中力高く搬入後の数々のトラブルを、酒井君やチームリーダーの山﨑君と共に何とか乗り越えてくれました。チーム全員の素晴らしい働きで、本展示を成功裏に終えることができました。チームの皆を誇りに思います!

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柴田研IREX2022展示チーム(一名は福岡から支援)

最後になりましたが、本ブースに来ていただいた皆様、また本出展についてお世話になりました福岡県ロボット・システム産業振興会議および北九州学術研究都市産業学術推進機構の関係者の皆様に感謝を申し上げます。