柴田教授のひびきの放送局 (Prof. Shibata's Blog)

九州工業大学大学院生命体工学研究科の柴田智広教授の公式ブログです (Official Blog of Prof. Shibata)

2025年も九州一丸で介護イノベーション推進!

厚労省の介護生産性向上(生産性向上)に関する取り組みは、大きく下記つの事業があります。

  • 中央管理事業(総合相談センターなど):「使う人(介護施設)」を支援する

  • CARISO事業:作る人(開発企業・ベンチャー)」を支援する

中央管理事業に関しては、介護分野における生産性向上ポータルサイト

をご覧ください。このポータルサイトから

相談窓口一覧 | 介護現場の生産性向上の取組・普及支援ナビ

へのリンクがあります。

九州では昨年いち早く7県に相談窓口ができて、昨年は九州全県+北九州市がオンサイト・オンラインで集まって、お互いのノウハウや課題を共有し議論する、九州介護イノベーション会議が実施されました。

今年は、沖縄県も加わって、九州・沖縄全県+北九州市で第3回九州介護イノベーション会議が実施されました。鹿児島県相談窓口(通称かごロボ)にホストをしていただきました。

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今年は、かごロボさんが素晴らしい企画をしていただき、各相談窓口に事前質問紙を送り、各相談窓口が事前にしっかり回答してくださったので、当日は感動するくらい実りのある会議ができました。まだ開設して一年程度のところも多く(沖縄窓口は7月にオープンしたばかり)、長年取り組んでいる窓口の情報は良い羅針盤になったと思います。かごロボの皆様、そして、ご参加いただいたその他の県および北九州市の皆さん、本当に有難うございました!

そして、経済産業省 商務・サービスグループ 医療・福祉機器産業室 室長補佐 出戸 浩朗 氏、NTTデータ経営研究所 ライフ・バリュー・クリエイションユニット の足立圭司ディレクター、永田宅磨 氏もご参加いただき有難うございました。

来年は福岡で開催です!

<各県の相談窓口>

福岡県介護DX支援センター| トップページ 

さが介護業務効率化サポートセンター|介護現場の働きやすい職場づくりをワンストップで支援

「ながさき介護現場サポートセンター」(介護生産性向上総合相談センター)をご活用ください! | 長崎県

くまもと介護テクノロジー・業務改善サポートセンター、展示機器が増えました! | 介護労働安定センター

大分県委託事業 大分県介護DXサポートセンター大分県委託事業 大分県介護DXサポートセンター

ひなた介護DX支援センター | 介護労働安定センター

かいテク沖縄|介護業務・テクノロジー伴走支援センター

北九州市の独自の窓口>
テクノケア北九州

自由ケ丘高校との連携

学研都市のポテンシャルを最大化するため、柴田研、すぐ創る課、PARKSなどで、学研都市内部の連携はもちろんのこと、周辺の教育機関との連携も少しずつ進めています。

これまで、ひびきの小との連携は進めてきました。

今年は新たに、研究科広報部会として、学研都市から折尾駅へ向かう途中にある、(学校法人福原学園自由ケ丘高校との連携を始めました。自由ケ丘高校教頭の福江先生にご協力いただき、当研究科からはスーパー特進コースの女子学生が研究科を見学する機会を提供し、見学者には女子高生の自由な感覚で短い動画を作成してもらっています。

これまで、5研究室の訪問があり、3つの動画が公開済です。動画を見てもらえば分かるように、それぞれ単なる研究ではなく、体験も提供されていて、見学者には大変な刺激になっているようです。

今後も動画が増える予定なので、ぜひ研究科のYouTubeを登録お願いします。

柴田研編(1)

柴田研編(2)

前田研編(1)

前田研編(2)

宮崎研編

今後もこつこつと、学研都市および周辺のポテンシャルを上げていく活動をしたいと思います。

 

介護ロボット等テクノロジーを介護保険対象にするには

 高齢者や障がい者の在宅介護にも、これからますます介護ロボット等テクノロジーが必要になってきます。日本では様々な介護ロボット等が製品化されてきましたが、在宅介護用である介護保険対象であるものはその一部です。

 高齢者や障がい者の在宅介護のQOLサステナビリティを維持・向上させるには、利用者の選択肢が増えることは大変重要だと思います。介護ロボット等の製品を介護保険対象にすべく開発企業が提案するにはどうしたらいいのでしょうか? 

それは、下記リンクをご覧ください。

介護保険対象福祉用具・住宅改修に対する提案について|厚生労働省


特にまずは、護保険制度における福祉用具の新たな種目・種類の追加・拡充に関する提案の手引き書、をご一読されることをお勧めします。かなり分かりやすい手引書になっています。

 

北九州学研都市周辺にある小・中・高のマンモス校

 北九州学研都市の隣には、公立のひびきの小があり、マンモス校であることや、九工大 大学院生命体工学研究科早稲田大学 大学院情報生産システム研究科、またPARKSすぐ創る課で交流を深めてきたことは、何度か本ブログでも取り上げてきました。

 ひびきの小は現在も生徒数が1,350名と、市内ダントツです(下図の左側参照)。また、学研都市から徒歩で約15分のところに、浅川中学校があり、生徒数853名と、これも市内トップです。

児童・生徒数順 市立小・中学校一覧(市教委の統計資料「教育調査統計資料 No.73 2025」より抜粋)

 さらに、学研都市から自転車で約15分(折尾駅から徒歩20分)のところにある学法)福原学園自由ヶ丘高校生徒数1,401名、市内では1,670名の九州国際大学付属高等学校につぐ2位で、市内トップクラスの生徒数と言えます。また、折尾駅から徒歩分のところにある県立東筑高校の生徒数も836名と市内3位で、地方としては大規模校と言えます。

 以上のように、学研都市周辺から折尾駅周辺にかけては、大規模に小・中・校生が学んでいます。さらには、その他大学・大学院も数多くあります。学研都市周辺から折尾駅周辺にかけては、これら多数の学校教育機関が連携を深め共創することで、全国に知ってもらえるほどに、地方都市における学びのエリアとしての魅力を高めることができると期待しています。

 

 

H.C.R.2025(国際福祉機器展2025)でお会いしましょう!

いよいよ、10月8日~10日に東京ビッグサイトで開催される、H.C.R.2025(国際福祉機器展2025)が迫ってきました。

私も8日と9日は出展社プレゼンテーションやブースプレゼンテーションがあります。ぜひ会場でお会いしましょう!

 

また、厚生労働省CARISO関連事業のHCR出展情報はこちらです。

①SU支援事業 ブース出展|西4ホール 小間番号:W-3130
   出展社詳細|国際福祉機器展&フォーラム Int. Home Care & Rehabilitation Exhibition & Forum
②出展社ピッチプレゼンテーション|西1ホール 出展者プレゼンテーション特設会場B

愛知県議会 福祉医療委員会ご一行がスマートライフケア共創工房を視察

 昨日,愛知県議会 福祉医療委員会ご一行が,「介護分野における先端技術の活用」をテーマに,北九州学術研究都市内にある九工大スマートライフケア共創工房を視察されました.

 まず、介護分野における人材不足の現状や予測、また介護に限らず全セクターでそれぞれ100万人程度働き手が足りなくなる予測、そして介護分野における国や厚労省リビングラボの取り組み,今後の課題などに関してレクチャーをしました。

私のレクチャーの様子

続いて、短時間しか取れませんでしたが、井上創造先生にFonLogにの紹介もしてもらいました。

井上先生のレクチャーの様子

続いて企業の介護ロボットや,柴田研で研究開発中の介護ロボットの見学や体験をしていただきました.大変熱心に聴講や見学体験をしていただき,技術課題から介護施設の経営まで、実に様々なご質問をいただきました。

評価・計測ゾーンのご見学

プロトタイプ開発ゾーンのご見学

研究開発システムのご体験

 このブログでたびたび言及してきましたが、スマートライフケア共創工房でご支援しているFUJI社やJTEKT社は愛知県に本社を置く企業です。FUJIのHugJTEKTJ-PAS fleairyの素晴らしさや、各社の社会実装の取り組みをご紹介しました。また、短い滞在時間の中、委員長にはJ-PAS fleairyをご体験いただき、腰部負担が軽減されている感覚をしっかりと感じていただくことができました。

委員長がJ-PAS fleairyをご体験

 福祉医療委員会の皆様の熱意に、今後、愛知県での介護ロボット等テクノロジーの普及が加速することを期待せずにはおられません!

最後に,今回もデモに対応してくれた学生達に感謝します.

在宅介護でHug2台が大活躍!

 先日、FUJI(株)の介護ロボットであり、移乗、移動、排泄、入浴介助に役立つHugを2台も在宅介護に活用されているという茨城県のA様(仮)のお宅を訪問しました。Hugは販売好調で、その約半数が在宅利用されているとは聞いていましたが、一戸で2台持ちとは、まずお宅が大きいのであろうと推測。その通りでした。しかし、期待以上に積極的にHugをご活用されておられました。

 ご主人は5年程度前から、大腿部や手指の筋肉が萎縮し筋力が低下する難病に罹患され、昨年から車椅子が必要になられたとのことです。そこで、ご家族とHugと協同して生活をされておられるとのこと。

 まずリビングの椅子から寝室への移動。普段リビングで座っているリクライニングチェアから Hugへの移乗は、ご家族がHugをチェアの前にセットし、あとはご主人がご自身でHugに上体や下肢を預けます。あとはご家族がHugのスイッチを操作し、移乗完了。次に近くにセットした電動車いすへ移乗。そのままご主人ご自身で操作して寝室へ。

リビングの椅子から寝室へ

 寝室では、待機しているHugに車いすから移乗。さらにHugから電動ベッドへ。ご主人は可能な作業は自分で行い、ベッドの昇降操作も自ら。

車いすからベッドへ

 この青い Hug は防水型なので、入浴介助に用いることができますが、A様のお宅では、風呂場をリフォームして、浴槽への入浴も可能にされておられました。まず機械浴用のチェア(写真左端のピンクの椅子)にHugから移乗します。その後、シャワーの前に移動すると(写真中央)、ご主人が自分でできる洗浄はご自身で行うとのこと。浴槽に浸かりたい場合は、このチェアが浴槽と横づけで合体し、チェアを浴槽中央にスライドさせた後、電動で昇降が可能なものでした(写真右端)。青いHugは現状、脱衣と着衣の場面で活躍。

機械浴用チェアの利用

 上記のすべての作業がご家族とご主人が協調してスムーズに行われていました。さらに驚いたのは、Hugを国内外の家族旅行に持っていったご経験があるのだそうです。Hugはコンパクトで軽量なので、女性でも車への積み込み作業が容易。旅行のお供に! ご家族は、Hugはご主人になくてはならない介護ロボットだと仰っていました。

 これまで施設での活用事例は見学したことがありましたが、在宅介護での活用を拝見するのは初めてでした。そのほか、障がいをもって分かった、ホテルのトイレの課題など、様々なご意見を伺いました。この度は貴重な見学と意見交換の機会を頂戴し、A様とご家族に心より御礼申し上げます。
 移乗、入浴、排泄、更衣など、介護の現場は施設でも在宅でも、力仕事と腰部負担の連続。でも日本には心強い介護ロボットがたくさんあります。ぜひ購入やレンタルをして活用をしていただきたいです。また、以前、異なる特徴を持つ3種類の装着型や非装着型の腰部負担軽減ロボット(JTEKT社 J-PAS fleairy,FUJI社 Hug、マッスル社 SASUKE)を集めて、国際福祉機器展(H.C.R.)2023 でセミナーを行いました。

  今年の国際福祉機器展(H.C.R.)2025では、これら3社が合同で同じブースで出展されるそうです。私も10月8日と9日にはブースでお話をします。8日には出展社プレゼンテーションにも登壇予定です。ぜひ H.C.R.2025で介護に関わる方にたくさんお会いできることを楽しみにしています。