柴田教授のひびきの放送局 (Prof. Shibata's Blog)

九州工業大学大学院生命体工学研究科の柴田智広教授の公式ブログです (Official Blog of Prof. Shibata)

北九州市立介護実習・普及センターが絶賛人員募集中!

北九州市介護ロボット等導入支援・普及促進センターは、北九州モデルを提案・実施し、日本の介護イノベーションをけん引してきたと言っても過言ではありません。厚労省介護ロボットプラットフォーム事業におけるリビングラボ「スマートライフケア共創工房」の企業支援でもたびたび協力していただきました。また、九州一丸での介護イノベーションのための、九州介護イノベーション推進会議でも、伴走支援の Tipsを他のワンストップ窓口に積極的にご提供いただきました。

その北九州市介護ロボット等導入支援・普及促進センターが、次年度(R7年度)から、北九州市立介護実習・普及センター(福祉用具プラザ北九州)に統合されることになりました。これまでの施設向けの介護テクノロジー導入支援だけではなく在宅の高齢者、障がい者の方々への支援も広く行っていくとのこと。

そこで現在、北九州市立介護実習・普及センターが、下記のように絶賛人員募集中だそうです。

看護師
 
 
 

北九州の皆さん、いや全国の皆さん、新しくなる北九州市立介護実習・普及センターで、さらに発展するであろう北九州モデルの取り組みに、携わってみませんか?

北九州のUターン、Iターンの支援もぜひチェックしてみてください。

 

謹賀新年! 新しい挑戦や学びを通じて成長する年に!

皆様、あけましておめでとうございます!

2025年は干支で乙巳(きのとみ)。伝統的な干支の意味と解釈によれば、

  • 新しい挑戦や学びを通じて成長する年であり、計画的に努力を重ねることで大きな成果を得られる
  • 一方で、焦らず慎重に行動することでトラブルを回避し、より安定した成長が期待できる

という年とのこと。

私は、焦らず慎重に行動、というのがあまり性に合わないので、肝に銘じつつ(笑)、今年は特に学びやスキルの向上を意識して一日一生の気持ちで頑張っていきたいと思います。

 

私が深く関わっている介護イノベーションに関しては、いよいよ政策として新しい重点分野の運用が開始されます。

2025年度介護テクノロジー利用の重点分野(厚労省公開資料)

団塊ジュニア世代層(1971年から1974年生)が65歳を超え、全人口に占める65歳以上の高齢者の割合が約35%に達すると予測される2040年まで、あと15年しかありません。昨年は介護事業者(特に訪問介護事業者)の倒産が増えました。

このままでは、介護が受けられない地域が広がっていくことでしょう。人手不足やコスト削減に繋がる、そしてできるだけ介護の質を維持する、AI、IT、ロボットの導入は加速させていかなくてはなりません(厚労省の情報では、介護業務支援製品の普及率はまだわずか約10%)。そして、地域共生社会の構築がますます重要になってくるでしょう。この議論はまたいずれ。

 

2025年も、皆様とのご縁を大切にしながら、一歩一歩前進していける一年にしたいと思います。地域共生社会の構築も含めた介護イノベーションの加速にも昨年に増して貢献できればと思います。本年もどうぞよろしくお願いいたします。皆さまにとっても、挑戦と成長に満ちた素晴らしい一年になりますように!

 

九州一丸で介護イノベーション推進!

昨年、スマートライフケア共創工房に、厚労省介護ロボットプラットフォーム事業における九州の地域相談窓口(北九州、大分、鹿児島)の皆さんに来ていただき、九州連携協議会と称した会議を開催しました。各地域相談窓口が活動報告や情報交換等を行うことにより、お互いに連携しながら、それぞれの活動を強化し、介護ロボット等を活用した介護イノベーションを加速させることを目的としたものでした。参加した地域相談窓口の皆さんから大変好評であったので、今後も毎年行う方向性となりました。

 

厚労省介護ロボットプラットフォーム事業では、これまでの地域相談窓口17か所から、「介護生産性向上総合相談センター」(ワンストップ窓口)への転換を進めており、2025年度までに全都道府県にワンストップ窓口を設置するべく動いています。

今年は11月末の時点で、ワンストップ窓口が設置されたのはまだ30か所ですが、なんと九州は全県(7県)に設置されました! また、北九州市は今年度から地域相談窓口ではなくなりましたが、独自に介護ロボット等導入支援・普及促進センターを運営しています。


今年は、大分県のワンストップ窓口に主催をお願いし、「九州連携協議会」を改め、「九州介護イノベーション推進会議」として、九州全県+北九州市からワンストップ窓口(北九州は介護ロボ導入支援・普及促進センター)の関係者が一堂に会して、活動報告や質疑応答、情報交換を活発に行いました。また、経産省 九州経済産業局からもご参加いただきました。先行する北九州、大分、鹿児島以外の窓口も、着実に展示場の整備や伴走支援や伴走支援に向けた取り組みをされていることが分かり、大変心強く思いました。また、先行する窓口の取り組みや質問に対する回答は他の窓口の皆さんにも大いに役立ったようです。

九州全県+北九州市の参加者による記念写真

 会議の冒頭には、大分窓口のご厚意で、西日本最大級という福祉用具や介護ロボットの体験展示場の見学を、(遠隔参加者のために)係の方がカメラを持って説明して回っていただきました。また最後には、厚労省介護ロボットプラットフォーム事業事務局長が、「伴走支援」をテーマとして、ディスカッションの司会を務めていただきました。

 個人的に、2年目にして九州全県および北九州市の介護イノベーション関係各位が一堂に会していただいたことにまず感激しました。さらに、会議内容が大変濃密で有意義であったことに感激しました。

 大分窓口の皆様、本会議を主催していただき改めて御礼申し上げます。来年は鹿児島窓口主催で開催する予定です。一年後が今から楽しみです! 九州一丸となって介護イノベーションを加速していきましょう!

 

 

 

それは失敗じゃない

 研究室ゼミや、修士論文や博士論文で、ただ成功したことだけが淡々と述べられ場合がよくある。聞いていてワクワクしないことも多く、また今後読み手の役にたつ情報が抜けることも多い。

 自分の思考の過程も伝えるべきだ。そして、自分が「失敗」だったと思うことも、しっかりとした考察と共に述べておけば、後進が同じ轍を踏まないことに役立つ。

 それらは失敗じゃない。期待していなかった結果だ。経験だ。経験を恐れてはいけない。方策を改善しながら、経験を積み重ねていけばいい。

 言葉の力は計り知れない。研究室では、期待していなかった結果、もしくは経験と言うように指導している。

 

 最後に、偉人の言葉をいくつか引用しておこう。

トーマス・エジソン 「私は失敗したのではない。ただ、うまくいかない1万通りの方法を見つけただけだ」
ヘンリー・フォード 「失敗は単にもう一度やり直す機会であり、次はもっと賢くできる」
ウィンストン・チャーチル 「成功は最終的なものではなく、失敗は致命的なものではない。重要なのは続ける勇気である」

 

 

北九州空港最寄り駅にJR特急が止まると北九学研都市にメリットがあるか?

本日、掲題のように興味深いニュースが飛び込んできました。そこで、北九学研都市にメリットがあるか検討してみました。

ラフな推定だと、折尾駅から朽網駅まで、ソニックで40分程度かかるんじゃないかなと思います。学研都市から折尾駅まで、バスで17分程度。朽網駅から空港まで車で20分程度かかるようなので、学研都市から空港までは乗換がスムーズに行ったとして合計1時間20~30分かかると思います。

現在、空港バスで学研都市から空港まで直通で、1時間20分で行けます。この観点では、学研都市にとってはメリットはありません。むしろ乗換が面倒です。


但し現在、学研都市からの空港バスは一日6本しかなく、それに対してソニックは毎時間1~2便あるので、毎日14便ある羽田空港スターフライヤーが11便/日、JALが3便/日)に合わせて(スムーズに乗換可能な)バス・鉄道が選択できるようになれば良いことだと思います。

抜本的には、学研都市からの空港までのバスを直行にしていただければ60分程度に短縮でき、また本数を増やしてくれれば利用者が増えると思います。私が着任した学研都市発足当初は直行バスがあったそうです。それから20年以上たち、学研都市周辺の人口も増えたので、再度直行便にトライしてもらいたいです。

また学研都市としては、ぜひ自動運転直行バスもトライして欲しいものです。愛媛県松山市では既に運行しているそうで、羨ましい!

 

 

~太陽という特例子会社

 「世に身心障がい者(児)はあっても仕事に障害はあり得ない」の信念のもと、1972年に創業されたのが、日本初の福祉工場であるオムロン太陽(株)です。オムロン太陽では、創業初年度からずっと黒字と、驚嘆するしかありません。

 ~太陽という特例子会社は、オムロン太陽だけではありません。令和6年6月1日現在の特例子会社一覧はこちらです。県別の表になっていて興味深い。福岡県は18社と大健闘しています。知らなかった!

 その中で、~太陽は、こんなにあります(カッコ内は親会社):オムロン太陽オムロン)、オムロン京都太陽オムロン)、デンソー太陽デンソー)、エクセディ太陽(エクセディ)、ソニー太陽ソニー・グループ)、ホンダ太陽本田技研工業)、三菱商事太陽三菱商事)、エフサステクノロジーズ太陽(エフサステクノロジーズ)。

 実は、これら多くの企業の経営者が揃って、スマートライフケア共創工房に研修にいらしたことがあります。オムロン太陽さんとは、すぐ創る課がずっとコラボしています。

 

 

ICAM2024を終えて

2024年11月6日~8日(9日は市民講座のみ)に、北九州国際会議場日本機械学会ロボメカ部門が主催し、ICAM2024(The 8th International Conference on Advanced Mechatronics)を開催し、盛況のうちに閉幕することができました。

ICAMの開催周期は長く、今回、吉見ロボメカ部門長が調査してくださったところ、これまで4~6年だったようです。前回はコロナで開催が遅れ、2021年には完全遠隔で開催され、3年ぶりの今回は完全対面で開催することができました。

バングラディッシュ, 中国, フランス, マレーシア, メキシコ, タイ国籍の発表者を含む134件の口頭発表、および175名のご参加があり、大変変充実した国際会議を開催することができました。

今回の目玉の一つは、日本機械学会のロボメカ部門以外の6部門と連携し、3セッションを実現できたことです。連携していただいた、TRANSLOG部門(ご担当:大阪公立大 中川智皓先生)、IIP部門(ご担当:Western Digital 江口健彦様)、DMC部門(ご担当:筑波大 萬礼応先生)、SHD部門(ご担当:東工大 中島求先生)、MNM部門(ご担当:北大 繁富香織先生)、BE部門(ご担当:九大 山西陽子先生)に改めて御礼申し上げます。

 

また、6日には北九州学研都市見学ツアーとTOTOツアーを企画しました。早稲田大学大学院の橋本研の皆様、九州工業大学大学院の田向研の皆様、また柴田研の学生には見学対応をしていただき有難うございました。

北九州学研都市ツアーの様子

また、招待講演にはフランス国立研究所 CNRS-LAASの Rachid ALAMI先生に「Towards Fluent Human-Robot Collaboration: Decisional Challenges in Planning, Acting, and Reacting」という題目で、長年の Human-Robot Collaborationに関する素晴らしいご講演をいただきました。

Alami先生の招待講演

北九州コンベンションゾーンにあるリーガロイヤルホテルロイヤルホールで開催された懇親会ではまず、ロボメカ部門長の吉見先生と、北九州市柴田産業経済局長にご挨拶をいただきました。その後、北九州市溝上酒造が誇る日本酒「天心」の大樽を、私も加わって乾杯。そこで地元でご活躍のオペラ歌手である野見山御園(ソプラノ)さんと山口幸志さん(テノール)が登場し、素晴らしい歌声で乾杯や余興の時間を大変盛り上げていただきました。

懇親会の様子

また、日本バイナリー(株)さんとJTEKT(株)さんにロボット展示を出していただきました。どちらもインタラクティブな展示で大変好評でした。

ICAM本編の最後には、Award Ceremonyを開催し、7組のファイナリスト、Best Paper Award、Best Student Paper Awardを表彰しました。

ファイナリストへの授賞の様子(2組欠席)


受賞情報詳細はこちらをご覧ください。

 

ICAM2024の本編終了後の土曜日には、北九州高専の松尾先生と富永先生に、市民講座としてROS基礎講座を開講していただきました。

市民講座の様子

最後に、ICAM2024に参加していただいた皆様、実行委員の皆様、プログラム委員の皆様、ロボメカ部門長の吉見先生、副部門長の田中(孝)先生、大原先生を始めとするICAM2021実行委員の皆様、そして学生アルバイトの皆さんに、改めて心より感謝申し上げます。

ICAM2024の実行を支えてくれた皆さん