柴田教授のひびきの放送局 (Prof. Shibata's Blog)

九州工業大学大学院生命体工学研究科の柴田智広教授の公式ブログです (Official Blog of Prof. Shibata)

MOSAIC25周年

という記事が日本の研究者の間でも懐かしいと話題になっている。

私も、約22年前に日本ロボット学会に下記解説記事を書いていたことを思い出した。この記事は「情報発信」の重要性に焦点を当てているが、私は当時後輩と、インターネットとVR装置を用いた移動ロボットの遠隔操作にも取り組んでいたので、IoTやIoRTを見越したような言及を少しでもできればよかったな、と反省。

日本のロボット研究ページを大きく育てたことは、2010年にRSJから評価していただき、嬉しかった。

25年後はどうなっているだろうか。明るくワクワクする社会の創造の一翼を担いたい。

 

北九州市の保健福祉レポート

北九州市の保健福祉レポートはこちらで公開されている。

総論の「北九州市の保健福祉政策(2)」の冒頭にある「三層構造による地域福祉のネットワーク」づくりは、知人によると20年ほど前に構想され着実に実施されてきたものだそうだ。

雑誌販売部数トップシェアの株式会社宝島社が発行した2016年の本で、

jimococo.mag2.com

となっている。上記のような市の保健福祉政策の長年の積み重ねがこのようなランキングを下支えしているのかもしれない。

 

保健福祉レポート2016には、情報通信とかロボットとかのキーワードは出てこない。市は、2016年1月付けで、ロボットやICTなどを活用した先進的介護の実証・実装を主要な取り組みの一つとした国家戦略特区に認定されている。保健福祉レポート2017では、情報通信とかロボットとかのキーワードが少しでも出てくることを期待したい。

なお、私は市の介護ロボット等導入実証事業ワーキンググループメンバを務めています。

 

 

 

iREX2017での展示を無事に終えました We finished our exhibition at iREX2017 sucessfully.

柴田研として初めて、県外での、しかも4日間にわたる展示に、研究室一丸となって挑戦をしました。
For the first time as Shibata Lab, we together have challenged an exhibition that is outside the prefecture and over four days.

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展示場所がホールのセンターでしかも通路に面したオープンな空間だったということにも恵まれ、全日程に渡り展示は大盛況。国内外の有力メディアからいくつか取材を受けることができ、全日程に渡りトラブルもなく無事に展示を終えることができました。
Our exhibition was a great success over the whole schedule, being blessed that the exhibition place was an open space facing the aisle at the center of the hall. We were able to receive some coverage from leading domestic and overseas media, and we were able to finish the exhibition without trouble over all the schedules.

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展示を見に来てくださったのは国内外の産業界、学術界、政府筋、投資業界、そして一般からと本当にいろいろな方が来てくださいました。そして、様々な貴重なフィードバックを得ることができました。しっかり今後の研究・開発・社会実装活動に生かしていきます。
A lot of people came to see our exhibition from the industry, academia, government sources, investment industry, and the general public from Japan and abroad. We got various precious feedbacks. We will make use of it for future research, development and social implementation activities.

また、中学時代、大学時代の同期や、NAIST時代の教え子、また九工大柴田研OBも、ブースに駆けつけてきてくれて嬉しかったです。
In addition, it was my great pleasure for me that alumni of junior high school and college days, students of the NAIST era, and some alumni of Kyutech Shibata lab also came to the booth.

今回、国内最大級のロボット展示イベントに挑戦してみて、本当に良かったと思います。改めて、展示を見に来てくださったすべての方々に感謝申し上げます。また、展示を支援していただいた福岡県ロボット・システム産業振興会議および北九州産業学術推進機構の関係各位に感謝申し上げます。
I think our experience was precious. Again I thank all the people who came to see our exhibition. I would also like to thank the members of the Robot and System Industry Promotion Council of Fukuoka Prefecture and Kitakyushu Foundation for the Advancement of Indrustry Science and Technolog for supporting our exhibition.

そして、今回の展示に関してすべての面で期待以上に活躍をしてくれた研究室の学生諸君、そして総勢18名もの出張手続きをするなど縁の下で様々に支えてくれた研究室秘書さん、あなたたちは私の誇りです!有難う!
And my students, my secretary. Your work for this exhibition was beyond my expectation from all aspects. I am proud of you. Thank you!

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We will exhibit clothing assistance robot system at international robot exhibition (iREX 2017) in Tokyo

Schedule: 11/29-12/2
Venue: Tokyo Big Sight, East hall 4-6, Booth Number SR-52

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The Shibata laboratory have been conducting research on advanced assistive robotics using a dual arm robot that can cooperate with humans. This time, we will exhibit clothing assistance robot system leading the world. Professor Shibata has started to develop it in the world for the first time. It was awarded the best application paper award at the world's top-level international conference. Elderly people generally narrow the movable range of the shoulder, making self-clothing movement difficult. Also, during assistance action, clothing assistance is generally one of the things that take time. The Shibata laboratory is promoting research to assist clothes by using a dual arm robot with vision. We also have conducted field trials. In this exhibition, we will demonstrate a double-arm robot to assist humans from where they pass shirts through both arms to the point where the hem gets close to the waist. We will also exhibit and explain materials on elemental technologies that we are promoting research and development on clothing assistance robotics.

 

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介護ロボティクスの分野でアイデア→プロトタイピング→実証評価のループを早く回したい(1)

わが国では介護分野へのロボット導入が期待されていますが、ニーズが細分化されていることや、安全性・価格・効用のバランスをとることが難しいため、まだマーケット開拓の目途が立っていないという問題があります。

この問題に対する一つの重要な対策として、私はアイデア→プロトタイピング→実証評価のループを何度も回していく必要があると考えます。f:id:tshibata:20171105061259j:plain

          図:先進的介護普及の方法論  (Methodology for disseminating advanced nursing care)

IT分野では、リーンスタートアップとか、ハッカソンなどの方法論がありますが、介護ロボットに関してはこれまでそのような試みは困難でした。

私たちは今回ついにそれを実現することができたのです!

 


2017年11月1日~3日にかけて、北九州学術研究都市にある九州工業大学(若松キャンパス(若松区ひびきの2-4))にて、HEBI Robotics 社のロボットモジュールを用い、生活支援ロボットをテーマにした世界初のHEBI Hackathonを開催しました。

 

主催は九州工業大学の社会ロボット具現化センターとスマートライフケア社会創造ユニット、共催はHEBI Roboticsと日本バイナリ―(株)、協賛はMathworks GK。そしてこれまでスマートライフケア社会創造ユニットにご協力いただいてきた(株)ウチヤマホールディングスと(株)さわやか倶楽部に今回もご協力をいただくことで、アイデアソンとそれに基づくハッカソンラピッドプロトタイピング)を実現することができました(つづく)。

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     アイデアソン実施時の集合写真

日本神経回路学会第27回全国大会は大盛況

平成29年9月19日(火)~平成29年9月22日(金)に、北九州国際会議場で、日本神経回路学会 第27回全国大会、および大会プレイベントを開催しました。

 

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(左)小倉駅に掲げられていた掲示板、(右)本大会の入場口看板

 

 

日本神経回路学会は,脳科学,および人工知能に関連する研究者が集う学会です。今回研究者が一堂に集い,最新の研究成果を発表することにより,次世代の脳型人工知能分野の振興の一助になったであろうとも実感しました.

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大会長を務めるのは初めての経験でしたが、実行委員会の先生方(九工大若松キャンパス)に多大なるご協力をいただき、また、日本神経回路学会にも大変魅力的なプレイベントを企画していただき、予想を遥かに上回る参加者(県外から約8割の参加、非会員も多数)で、大変活発に学術や産学の交流が行われました。

 

改めまして、参加者の皆様に御礼申し上げます。また、展示や寄付・助成をしていただいた各企業の皆様、北九州市、北九州観光コンベンション協会関係者や、基調講演の合原先生、特別講演の石川先生、シンポジウムを企画してくださった新学術領域の岡田先生、大隅先生、銅谷先生および各講師の先生方に御礼を申し上げます。そして最後になりますが、日本神経回路学会の理事や委員の皆様、そして実行委員の九工大若松キャンパスの先生方、秘書さん、またアルバイト学生の皆さんに御礼申し上げます。

本大会およびプレイベントに関わった全ての皆さん、本当に有難うございました!

 

 

 

第13回国立病院機構近畿学生フォーラムにて講演

先日、第13回国立病院機構近畿学生フォーラムにて招待講演をさせていただきました。

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この終日のイベントは、国立病院機構近畿学生フォーラム実行委員会が主催するもので、国立病院機構近畿グループ20病院付属の看護学生さんたちが企画立案から実行まですべて行っているのだそうです。実際、私への当日のアテンドや司会もすべて学生さんたちが行ってくれました。

 

今回のフォーラムのサブテーマは、「2025年問題から考える看護」ということで、私は看護がロボットと協奏する社会の創造に向けて、というタイトルで、1,250名を超える主に看護学生の皆さんに講演をさせていただきました。
質疑応答含めて最大1時間半のところ、質問時間10分程度しか残すことができず、申訳なくまた残念だったのですが、後日感想や質問をとりまとめて送ってきていただけて、大変感激しました。


 2025年問題(厳密には2024年問題らしいですが)は、目前に迫る避けて通れない大変厳しい社会問題です。現状また近未来のロボット技術だけで何とかなる問題とは考えにくい。だからこそ、多様なプレーヤーの知恵を結集する仕組みを作り、そしてソーシャルイノベーションを起こしてゆかねばならないでしょう。今回の講演により、未来ある看護学の学生さんに、このようなメッセージが伝わり、今後のイノベーションに具体的に関わってくれることを祈念してやみません。


最後になりますが、招待講演をお声がけいただいた国立病院機構大阪南医療センター附属大阪南看護学校教育主事の藤尾先生に心より御礼申し上げます。