柴田教授のひびきの放送局 (Prof. Shibata's Blog)

九州工業大学大学院生命体工学研究科の柴田智広教授の公式ブログです (Official Blog of Prof. Shibata)

オムロン太陽創業50周年記念式典に出席

 「世に身心障がい者(児)はあっても仕事に障害はあり得ない」の信念のもと、社会福祉法人太陽の家」を設立した中村裕医学博士と、企業の公器性を社憲にまとめた、オムロン(株)創業者である立石一真氏が共鳴し1972年に創業されたのが、日本初の福祉工場であるオムロン太陽(株)です。オムロン太陽では、創業初年度からずっと黒字。そして現在では工場作業員の分布が、健常者と障がい者が同数程度で、しかも障がい者の半数程度が身体ではなく知的・精神障がい者、また記念式典日までに連続無災害日数5488日(15年と少し)と、驚嘆するしかありません。

 2022年4月8日にオムロン太陽創業50周年記念式典が挙行され、私とすぐ創る課代表の山﨑君も出席をさせていただきました。オムロン太陽の立石郁雄社長の感動的なスピーチ、太陽の家の山下理事長の圧倒的なスピーチなどがあり、大変素晴らしい式典でした。

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式典の様子

 

 式典の後には特別工場見学があり、普段の見学では見られない、生産現場に入らせていただき、様々な障がいを持つ作業員の方とコミュニケーションもさせていただくことができました。特別工場見学については、13本の動画が公開されています。また、50周年記念プロジェクト Unlock the Futureのページも用意されています。

 日本パラリンピックの父とも呼ばれる中村裕氏が太陽の家やオムロン太陽を創業した経緯については、太陽の家ミュージアムでも販売されている下記コミックで知ることができます。

 オムロン太陽の比類なき福祉工場の取り組みが、もっともっと国内外に伝搬してほしいと願っていますし、柴田研究室やすぐ創る課としても、いろいろと貢献できるところがありそうだと思っています。

 

4月からの新業務

九州工業大学にて、R4年度4月から新たに下記業務を拝命することとなりました。

九州工業大学
 ・ケアXDXセンター(新設) 副センター長およびXD(Experience Design)部門長
 ・社会ロボット具現化センター センター長補佐

九州工業大学 大学院生命体工学研究科>
 ・人間知能システム工学専攻 専攻長

Global AARコーススマートライフケア共創工房の運営は勿論、ケアXDXセンター、社会ロボット具現化センター、人間知能システム工学専攻の発展に貢献できればと思います!

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国際ロボット展2022の展示は大盛況

2022年3月9日(水)~11日(土)の4日間開催された国際ロボット展2022(IREX2022)の福岡県・北九州市ロボットフォーラムのブースに、柴田研からも大きくアップデートされた着衣介助ロボットシステムHAFY(Helping Arms For You)を出展しました。

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今回の特徴は次の様です。

  • 着衣方式を後ろからに変更した。具体的には、腕を上げる必要がなく、座位がとれる方に対して介護・看護の現場でもよく用いられる方法にした。
  • 介助中に、今何をするのか、何をしてほしいか、と言った声かけを、人間の音声で行うことにより、安心かつ人の協力を得やすくした。これもこれまでの展示などから得られたフィードバックに対応したもの。
  • ロボットによる衣服の操作はまだ非常に難しく、これまでは双腕ロボット(Rethink Robotics社のBaxter)が着衣のために衣服を正しく把持することが自動でできなかった。今回は、ハンガーラックにセットされた衣服があれば、それを単腕モバイルマニピュレータ(トヨタ自動車のHSR)がAIにより視覚認識し、自律走行して双腕ロボットに手渡しすることによって自動化を達成した。
  • 前回は電動車椅子を利用していたが、サイズが大きく、また背もたれが今回の着衣方式に合わない問題があった。今回は、すぐ創る課のメンバーが、アルミフレーム等についてMiSuMiの特別支援も受けつつ、ロボットモジュールや3Dプリンタを駆使して、モバイルチェアをすぐに創って問題を解決した。

今回は、サービスロボットゾーンという東展示場の一番奥の場所だったため、あまりメディアや見学者も来てくれないのではと当初心配していましたが、それは杞憂でした。今回も複数のメディアや古い友人を始め非常に多くの見学者が毎日来てくれて、本当に有難かったです。

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メディアについては、日刊工業新聞が事前取材をしてくれた他、複数のTVニュース番組で短時間ですが紹介されたようです。また、最終日にはCCTVがじっくり取材していってくれたので、(中国向けですが)どんな放送になるのか楽しみです。

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CCTVの取材を受ける柴田研学生リーダーの山﨑君

今回、双腕や単腕ロボットの知能プログラミングを頑張ってくれた酒井君は諸事情により東京に来られませんでしたが、福岡から遠隔で全力サポートしてくれました。双腕や単腕ロボットのメインオペレータを託された梶原君は、柴田研に昨年12月に配属されたばかりのまだ学部3年生ですが、集中力高く搬入後の数々のトラブルを、酒井君やチームリーダーの山﨑君と共に何とか乗り越えてくれました。チーム全員の素晴らしい働きで、本展示を成功裏に終えることができました。チームの皆を誇りに思います!

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柴田研IREX2022展示チーム(一名は福岡から支援)

最後になりましたが、本ブースに来ていただいた皆様、また本出展についてお世話になりました福岡県ロボット・システム産業振興会議および北九州学術研究都市産業学術推進機構の関係者の皆様に感謝を申し上げます。

子育て世代の包括支援

子どもは家族の、そして国の宝。

これまで、母子保健法に基づいた子育て世代包括支援センターと、児童福祉法に基づいた子ども家庭総合支援拠点というのがあって、連携が不十分だったので一体化し、2023年4月に内閣府の外局として創設される「子ども家庭庁」が所管するのだそうだ。

さて北九州はどうなっているのだろうと検索してみると、子ども家庭局が所管する子ども総合センターというものがあり、様々な業務を担っていることがわかった。

一時保護所の運営等に対して客観的評価を行うため、令和2年度から第三者評価を受審しており、その結果を公表している。概ねb評価で、いろいろ改善が必要との指摘があるので、早期の改善を期待したい。

 

話は少し変わるが、人口減少が加速するなか、合計特殊出生率は1.4前後で安定している。1970年代前半の第2次ベビーブームでよやく2.0を少し超えていたぐらいで、そもそも戦後10年もかからず2.0あたりに急減している。

よほどのことがなければ、合計特殊出生率が上がる見込みはないのでしょう。

 

下記、辛口の木下さんの主張はもっともです。高齢者福祉の最適化、福祉政策全体の最適化、ひいては全政策の最適化が必要で、これにはDXとかEvidence-based Policy Makingが欠かせない。

 

また、世帯主65歳以上の世帯の3割以上の貯金額が2,500万円以上とのこと。

こういった資金力のある層が、福祉に寄付や投資がしやすくなる環境づくりも必要なのではないかな、と素人ながら思います。

 

社会人博士歓迎です

われらが工藤さんがスポーツ科学で博士を目指す!👏 👏 👏
素晴らしい!


柴田研でも社会人博士を歓迎しています😊

博士後期課程に、社会人博士として入学した元福岡女学院助教と、現在も日本IBMで勤務する学生がいます。柴田研で博士号を取得してみることに興味のある社会人の方、まずはお気軽にDMくださいね

下記SNSもぜひチェックしてみください。

twitter	 : tom_shibata
facebook : TomShibataLab

 

 

FBS【まちが★スキー第186回】に柴田研が紹介されています

FBSで2021年10月30日に放送された【まちが★スキー第186回】福岡県北九州市/学研都市ひびきの、の回がYouTubeにあがっていました。着衣介助ロボットも紹介されており、スマートライフケア共創工房も映っています。

柴田研:0:31-53

スマートライフケア共創工房:0:22-24, 1:45-1:47

1:19からは毎週火曜日に来るキッチンカーの動画も上がっています。「研究者たちに人気」とありますが、一般の方も利用できます。1:29からの「利用者」とあるのは、柴田研の学生ですw

 

 

引きこもりからのリハビリテーション

12月17日の記事を見て、とても悲しくなりました。

きっとできることはいろいろあるはず。

素人考えですが、この方の場合は、英語を小学生に教えるなどでコミュニティに少し戻る手があったかもしれない。引きこもりの初期相で何とかするのがベストとは思いますが。

まさに医療リハビリテーションと本質的な課題を共有していると思いました。例えば、モビリティ機能が実現できればいいのならば、歩行機能が完全に復活までいかなくても嘆く必要は無い。引きこもりの社会復帰問題も、リハビリ科学的なアプローチが必要なんだろうな、と。

このような一般のサイトもすぐ見つかりますね。まずは散歩から。問題は散歩も断固拒否された場合でしょうね。

 

勿論科学研究もそれなりにありそうです。

 

スウェーデンの状況も報告されています。

長崎大学教育学部紀要 教育科学 第85号 (2021)『スウェーデンにおける子ども・若者の「不登校・
ひきこもり」問題と当事者中心の支援』