柴田教授のひびきの放送局 (Prof. Shibata's Blog)

九州工業大学大学院生命体工学研究科の柴田智広教授の公式ブログです (Official Blog of Prof. Shibata)

足漕ぎペダルだと、パーキンソン病患者のすくみ足が起きにくい

まだ知らない患者さんも多いかもしれないので、書いておきます。

歩容が緩慢であったり、すくみ足が生じるような方でも、足漕ぎペダルだと大きく改善されることが知られています。

YouTubeにもいろいろと動画が見つかります。

 

また、下記短報では、 足漕ぎペダル付き車椅子(論文中では、会社名と製品番号しか記載がありませんが、いわゆるCOGYだと思います)を使ったところ、手漕ぎと足漕ぎで大きな移動運動の差があったということを報告しています。

岡田洋平,他.パーキンソン病の標準型車椅子駆動能力低下の関連要因の検討と足こぎ車椅子の試み.運動障害 26(1): 43-48,2016.

なお筆頭の岡田先生は、私が奈良時代(こう書くと、8世紀みたいですが、そうじゃなくて、NAISTの教員をしていただ時代)に、パーキンソン病患者を対象にした研究やコミュニティ活動で大変お世話になり、共著論文もいろいろご一緒させていただいた、畿央大学の先生です。

 

 そこで柴田研では、広大の栗田先生の技術提供を受け、歩行中に足漕ぎ効果を導入するための装置(UPS-PD)を開発して、(当時)産医大の白石先生にご協力いただいて実証研究を進めました。

最近では、認知機能障害のない平均年齢60.0 歳のヤール重症度がII~IIIのパーキンソン病 患者5名を対象とした基礎研究結果が、Journal of Robotics and Mechatronics誌に採択されたところです(Higuchi, et al., in press)。まだまだ研究が必要ですが、有望な方向性だと考えられるので学生たちと頑張っていきます。