柴田教授のひびきの放送局 (Prof. Shibata's Blog)

九州工業大学大学院生命体工学研究科の柴田智広教授の公式ブログです (Official Blog of Prof. Shibata)

介護にはテクノロジーだけでなく人のぬくもりを届けるサービスが必要

 本日の読売新聞夕刊(福岡・山口)、および読売新聞オンラインの九州版に、「「介護付き旅行」広がる…看護師資格者が同行「『出かけたい』をかなえてくれた」という記事が掲載されました。

 メインは看護・介護つきの外出サービスを手がけるNPO法人「あすも特注旅行班」に関する記事です。

 しかし私のエピソードだけでなく、研究室の着衣介助ロボットについても結構な分量で紹介がされていて少しびっくりしました。

 記事に書いてあるように、コロナ禍において、母の願いを叶えるために、私は(妻が見つけてくれた)あすも特注旅行班のサービスを利用しました。看護と介護の専門家が付き添い、車いすごと乗車できる大型の介護タクシーでの往復、コロナ禍であっても安心して母を送り出すことができました。

 

 スマホで音声やTV電話も容易な時代になりましたが、コロナ禍を体験した我々は、対面の力を再認識したと思います。あすも特注旅行班のような、高齢者や障がい者の外出や旅行をしたいという願いを何とかして叶えるサービスは、本当に素晴らしいと思います。これまでのべ900組、3000人以上の願いを叶えてこられたそうですが、コロナ禍で依頼が激減し、経営を圧迫しているとのこと。偶然ですがちょうど寄付キャンペーンをされておられるので、ぜひそれも紹介させていただきます。

 

 昨年母が久しぶりに会うことができた姉は、今年亡くなりました。昨年、母の熊本旅行を実現できて、本当に良かったと思います。まさに「また今度」では間に合わなかったのですから。高齢者や障がい者のご家族をお持ちの皆さんには、ぜひ介護付き旅行サービスを知っていただき、ご活用いただければと願ってやみません。

 私は介護テクノロジーの開発・実証・普及の活動を行っていますが、被介護者に「人のぬくもり」を届ける大切さを、決して忘れぬように行動していきます。