柴田教授のひびきの放送局 (Prof. Shibata's Blog)

九州工業大学大学院生命体工学研究科の柴田智広教授の公式ブログです (Official Blog of Prof. Shibata)

豊中あいわ苑で移乗介助ロボットのSASUKEが大活躍!

 先日、大阪は豊中にある特別養護老人ホーム豊中あいわ苑を見学させていただきました。

社会福祉法人愛和会は下記理念のもと、北摂随一の広々とした複合型施設を運営されており、豊中あいわ苑はその中にあります。

  • 広く社会のためにより良い保健福祉サービスを提供し、生きがいのある社会生活の増進に貢献する

  • 人間の尊厳と人権を尊重し、公正で平等な法人活動に努める

  • 地域社会との協調を深め、創意工夫をこらして利用者の保健福祉の向上と法人の健全な発展を図る

  • 保健福祉に携わるものとしての使命を自覚し、学識、技術の研鑽と人間性の向上に努める
  • 自主性と和の精神を重んじ、利用者と共に法人に働く誇りと喜びを共にする。

 この施設では、介護職の腰痛防止を目的として、移乗介護ロボット(マッスル(株)のSASUKE)を3台導入されていました。移乗や入浴介助に日々活用されておられるそうです。

※ SASUKEは介護保険レンタルや各種補助金対象の介護ロボットです。

 適応対象者は現在5人おられるとのこと。以前は入居者1名の入浴介護に、人手で4回移乗を行い、また介護者も2名必要だったが、現在は1名の介護者による0回の移乗で介護できているとのことです。

そして、完全に使いこなして移乗や入浴の介護を行っている様子をじっくり拝見することができました(下記写真参照)。被介護者を優しく扱いながら、てきぱきとしたスピードでSASUKEを使っておられて感動しました。

SASUKEを用いた移乗介助と入浴介助(模擬)の様子。熟練の運用でした

この介護職の方に、SASUKEの習熟にどの程度時間がかかったか聞いてみましたが、一か月程度で十分だったとのことでした。また、本施設でも視察・見学者への撮影許可はご家族から取っておられるとのことです。介護イノベーションに協力されておられるご家族に感謝です。

※念のために入居者様のお顔はぼかしておきました

 豊中あいわ苑は、厚労省の介護ロボットのパッケージ導入モデル(R6.3版)でも事例紹介されており、より詳細な数値が記載されています。下記抜粋をご覧ください。

厚労省の介護ロボットのパッケージ導入モデル(R6.3版)より抜粋

 豊中あいわ苑では勿論インカムは使っておられましたし、移乗介助用ロボットとしては、SASUKEの他、スタンディングリフトのスマイルも2台使っておられるそうです。

 移乗介助を人手で行うことは、介護者の腰痛を引き起こすだけでなく、被介護者の拘縮(こうしゅく)を引き起こす可能性があります。介護する側もされる側も幸せになるために、もっともっと移乗介助用のロボットの普及が加速して欲しいと思います。

 最後に柴崎施設長、菅江主任、SASUKEを担当する介護職の方たち、またマッスル(株)の尾形さんと記念写真を撮影させてもらいました。見てください、一発撮りでこの明るさ! 

施設長、主任やSASUKEを使う介護職の方々と

このあとも、施設長などにバンバン突っ込みやいじりをされるなど、
THE KANSAI, THE OSAKA の雰囲気がとても楽しかったです。きっと普段の介護も和気あいあいとされておられることでしょう。

※ちなみに、我が家はよしもと新喜劇探偵ナイトスクープの長年のファンです

この見学にご協力いただいた柴崎施設長をはじめとするあいわ苑の皆様、またこの素晴らしい施設をご紹介いただいたマッスルの尾形さん本当に有難うございました。来て良かったです。今後も豊中あいわ苑の進化に注目します! また、移乗介助ロボットの普及が加速することを期待します!

 なお、様々な移乗介助ロボットの情報は下記の便覧や続くサイトから得ることができます。

クリックするとPDFがダウンロードされます