国立大学法人九州工業大学のスマートライフケア共創工房は,厚生労働省「介護ロボットの開発・実証・普及のプラットフォーム事業」におけるリビングラボ拠点として,今年度も介護イノベーションに資する企業支援を多数行いました.
先日,今年度スマートライフケア共創工房が支援するTANOTECH(株)の非接触・非装着型の運動トレーニング(ゲーム)装置「TANO」の開発・実証支援の一環として,市内の特別養護老人ホームである社会福祉法人もやい聖友会の銀杏庵穴生倶楽部に全面的な協力をいただき,高齢の入居者を対象に実証実験を行いました.TANOTECHのスタッフは遠隔で実験に参加しました.
このような非接触型の運動トレーニング(ゲーム)装置「TANO」をうまく導入するには,一般に司会者がゲームの説明や補助をしたりする必要があります.そこでTANOTECHは,司会進行業務をより負担なくスムーズに実施するため,ゲーム画面内に司会者を登場させる開発を行い,スマートライフケア共創工房も一部開発支援を行いました.
本実証実験の結果,TANOに追加したした司会者の説明方法に必要な改良点がいろいろと明らかになりました.また,待機する高齢者も手を動かすなどゲームに参加する場合があることも分かり,TANOの様々なゲームが,レクの現場でより多くの高齢者を同時に刺激する可能性も見出すことができました.
今回実証実験を快諾していただいた社会福祉法人もやい聖友会の権頭理事長や,力強くご協力いただいたスタッフの皆様に心より御礼申し上げます.
なお,権頭理事長には,マイクロソフトのHololens2を用いた,移乗や排泄を介助するロボットの仮想的な体験システムもしていただきました.このシステムについてはまたいずれちゃんと紹介したいと思います.